株式会社FMCC(Fatigue and Mental Health Check Center)

ご挨拶

 日本は世界にも前例のない高齢社会を迎えており、それのみならず、勤労世代や若年世代にも、これまで取り上げられなかったようなさまざまな心身の不調を抱える人が現れてきています。社会の変化自体は必然の要素もあり、悪い点ばかりではありませんが、変わりゆく時代の中で人々はどのように健やかに生きてゆけばよいのでしょうか。

 近年の疾病対策の歩みをふり返ると、20世紀後半の高度成長期からは、健康診断による疾病の早期発見/早期治療といった「二次予防」が中心的な取り組みとして行われてきました。しかし世紀の変わり目を前にして、公的にも「一次予防」に注目が集まってきます。厚生労働省の発表した「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」はその代表的なものです。従来の健診による取り組みにとどまることなく、健康を増進し、疾病の発病を予防する「一次予防」に一層の重点を置いた対策を推進したものです。

 WHO憲章にも示されていますように、健康は単に傷病の有無のみならず、肉体的、精神的そして社会的な観点から総合的に判断されるものです。生活環境ストレスの変化に伴いうつ病などのメンタルヘルス障害による休職者も急増している現代においては、「国民健康づくり運動」を進める上で、心身の疲労度評価は重要なキーワードとなっています。2015年12月からは労働安全衛生法の改正に伴い従業員50名以上の事業場においてはストレスチェックを行うことが義務づけられました。この制度では、特にメンタルヘルス不調の未然防止の段階である一次予防を強化することが目的とされており、そこでは「定期的に労働者のストレス検査を実施し、本人にその結果を通知して自らのストレスの状況について気付きを促し、個々の労働者のストレスを低減させる」ことが求められています。

 しかし、メンタルヘルス障害を判定しようとしても、実際の職場で働く保健師や産業医の体験では、問診票を用いた自覚症状評価では個人差が大きく、また体調が悪くても正しく申告しない/できないケースも少なくありません。問診票による評価(職業性ストレス簡易調査票など)を補うものとして、メンタルヘルスの状態を客観的に評価できる指標―いわば「心の血圧計」―の活用が望まれています。

 我々は、株式会社疲労科学研究所と連携して、自律神経機能を客観的に評価することによって、①心身の疲労状態、②メンタルヘルス障害、③睡眠状態、④集中力、記憶力、作業効率などが推定できることを見出し、いくつもの特許を取得してきました(下記特許リスト参照)。また、自律神経活動は被験者の年齢と関連があるため、従来は年齢構成の異なる集団の分析に活用することは困難でしたが、我々はどの年代でも共通して用いることができる自律神経活動偏差値という新たな指標を考案し、労働安全衛生法で求められているストレスチェックでも活用可能な、客観的な集団ストレス指標の提供を可能と致しました(2019年特許)。

 株式会社FMCCでは、これらの特許を活用して客観的に心身の疲労病態やメンタルヘルス状態を評価することにより、健康の維持・増進や、疾病予防に役立つ情報を提供致しております。また、働き方改革関連法案の施行に伴い業務の効率化が求められる場合にも、作業中の自律神経機能を評価して集中力、記憶力、作業効率などを予測することで(2020年特許)、さまざまな対応の検討を可能にしております。

 株式会社FMCCでは、自律神経機能評価とともに、睡眠覚醒リズム解析、酸化ストレス評価、エネルギー/代謝解析などの客観的な健康指標を用いて疲労の定量化、疲労回復効果の測定、並びにストレス度の計測を客観的/科学的におこない、皆様の研究や診療にご提供させて頂いております。このような取り組みが皆様のお役に立てることを心より願っております。

令和2年4月吉日

株式会社FMCC
代表取締役社長 倉恒弘彦(医学博士)
(大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻 招へい教授)
(大阪市立大学医学部代謝内分泌病態内科学 客員教授)

 


自律神経プロジェクトの受賞・認定歴


大阪トップランナープロジェクト認定

スマホを用いた自律神経機能評価「脳疲労・ストレススキャン」

2021年10月1日

大阪トップランナー育成事業プレスリリースはこちら


ME-BYO BRAND認定

簡易疲労・ストレス測定システム

2017年9月6日


平成27年度第2回研究開発助成事業にて新規性及び事業性が極めて優秀

自律神経測定技術による客観的疲労評価システムを用いた医療機器の開発

2016年2月17日


関西アーバン銀行賞受賞

大阪市立大学と連携した自律神経機能評価

2015年3月18日


ベストセレクションズ2014受賞
研究開発・取り組み部門

クラウド型「疲労・ストレス測定システム」の開発

2014年12月10日


詳しくはベストセレクションズ受賞作品のPDFを
ご覧ください
(http://ohs-net.jp/bestselections/selections/index_01.html)


ベストセレクションズ2014受賞
製品・サービス部門

予防医療機器の産学連携開発と消費者参加の場での展開

2014年12月10日

詳しくはベストセレクションズ受賞作品のPDFを
ご覧ください
(http://ohs-net.jp/bestselections/selections/index_01.html)


大阪トップランナープロジェクト認定

新型センサー(VM302)販売と画期的な疲労・ストレス・血管年齢評価装置の開発

2014年8月29日

詳しくは 大阪トップランナー育成事業をご覧ください
(https://www.osaka-toprunner.jp/project/introduce/fatigue/)


経済産業省近畿経済産業局
「新連携事業計画」第19回認定


予防医療を目的とした産業疲労・ストレス検診事業

2008年3月31日

特許リスト

自律神経機能評価を介した健康指標

1.発明の名称:情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
内容:勉強や仕事などの作業中の自律神経機能を評価することにより、集中力/記憶力や作業効率を予測することが可能
特許第6670413号 (2020年(令和2年)3月18日)
出願番号:特願2019-117207
出願日:平成31年6月25日
出願人:株式会社疲労科学研究所
発明者:倉恒弘彦

2.発明の名称:疲労判定装置、疲労判定方法及びプログラム
内容:疲労を誘発しない刺激(光/音/匂いなど)に伴う自律神経機能の変化を評価することにより、疲労やメンタルヘルス状態などを判定
特許第6501941号 (2019年(平成31年)3月29日)
出願番号:特願2018-62114
出願日:平成30年3月28日
特許権者:株式会社疲労科学研究所
発明者:倉恒弘彦

3.発明の名称:自律神経評価装置、自律神経評価方法、プログラム及び記録媒体
内容:新たな自律神経活動指標(自律神経偏差値)を考案し、その指標を用いることにより年齢構成の異なる集団においても健康状態について客観的な集団分析が可能
特許第6550440号 (2019年(令和1年)7月5日)
出願番号:特願2017-219035
出願日:平成29年11月14日
出願人:株式会社疲労科学研究所
発明者:倉恒弘彦、小泉 淳一

4.発明の名称:生体状態推定装置
内容:自律神経機能と脈波伝搬速度を用いて健康状態を評価する
特許第6126220号 (2017年(平成29年)4月14日)
出願番号:特願2015-523943
出願日:平成26年6月3日
出願人:株式会社村田製作所,株式会社疲労科学研究所
発明者:志牟田 亨、倉恒弘彦、渡辺 恭良

5. 発明の名称:疲労度の判定処理システム
内容:自律神経機能評価を用いた疲労度判定処理システムの開発
特許第5491749号 (2014年(平成26年)3月7日)
出願番号:特願2009-053144
出願日:平成21年(2009年)7月6日
出願人:株式会社疲労科学研究所
発明者:倉恒弘彦、田島世貴、小泉淳一、西沢良記、渡辺恭良、片岡洋祐

6. 発明の名称:自律神経機能年齢の判定システム及び判定方法
内容:自律神経機能年齢の判定システム及び判定方法の開発
特許第5455071号 (2014年(平成26年)3月26日)
出願番号:特願2011-7680
出願日:平成21年(2009年)1月18日
出願人:株式会社疲労科学研究所
発明者:小泉淳一

7. 発明の名称:疲労評価装置、疲労度評装置の制御方法、および疲労度評価プログラム、並びに該プログラムを記録した記録媒体
内容:加速度脈波のカオス分析による疲労度評価システム
特許第3790266号(2000年(平成17年)1月6日)
特許権者:総合医科学研究所、渡辺泰良、倉恒弘彦
出願番号:特願2005-511065
出願日:平成16年6月25日
出願人:総合医科学研究所、渡辺泰良、倉恒弘彦
発明者:渡辺泰良、倉恒弘彦、山口浩二、笹部哲也

疲労度のバイオマーカー関連特許

8. 発明の名称:疲労のバイオマーカーおよびその利用
内容:血液中の疲労バイオマーカーを用いた疲労度評価法の開発
特許第6521321号 (2019年(令和元年)5月10日)
出願番号:特願2015-534352
出願日:2014年8月29日
特許権者:国立研究開発法人理化学研究所,倉恒弘彦、大阪市立大学
発明者:倉恒弘彦、片岡洋祐、久米慧嗣、大和正典、田島世貴、渡辺恭良、福田早苗、曽我朋義、山野恵美

9.発明の名称:疲労のバイオマーカーおよびその利用
内容:エネルギー代謝に関する血液疲労バイオマーカーを用いた評価法
特許第5811545号 (2015年(平成27年)10月2日)
出願番号:特願2011-034875
出願日:平成23年2月21日
出願人:国立研究開発法人理化学研究所、公立大学法人大阪市立大学、倉恒弘彦
発明者:片岡洋祐、金 光華、渡辺恭良、田島世貴、曽我朋義、倉恒弘彦、山野恵美

10.発明の名称:近赤外分光を用いた慢性疲労症候群(CSF)診断法および装置
内容:血液や皮膚の近赤外分光解析により、疲労群と非疲労群を判定する
特許第4961579号 (2012年(平成24年)4月6日)
出願番号:特願2007-516276
出願日:平成18年5月15日
出願人:株式会社疲労科学研究所、 国立大学法人大阪大学、倉恒弘彦
発明者:作道章一、生田和良、倉恒 弘彦ほか

11.発明の名称:疲労を回復する又は軽減するための組成物、および当該組成物を備える医用デバイス
内容:緑の香り(青葉アルコール、青葉アルデヒド)による疲労回復手法
特許第4422103号(平成21年12月11日)
特許権者:総合医科学研究所、渡辺泰良、倉恒弘彦
出願番号:特願2005-511060
出願日:平成16年6月25日
出願人:総合医科学研究所、渡辺泰良、倉恒弘彦
発明者:渡辺泰良、倉恒弘彦、畑中顯和、山口浩二、笹部哲也

12. 発明の名称:疲労評価装置、疲労度評価方法及びその利用
血液中アミノ酸組成評価による疲労判定手法
内容:血液中アミノ酸分析により疲労度の判定が可能となる
特許第3923507号(平成17年2月7日)
特許権者:総合医科学研究所、渡辺泰良、倉恒弘彦
出願番号:特願2005-511060
出願日:平成17年2月7日
出願人:総合医科学研究所、渡辺泰良、倉恒弘彦
発明者:渡辺泰良、倉恒弘彦、ほか

申請中の特許

13.発明の名称:自律神経評価装置、自律神経評価方法及びプログラム
内容:ローレンツプロット法を用いて、従来より短時間の計測で自律神経機能を評価する
出願番号:特願2022-061128
出願日:令和4年3月31日
出願人:株式会社疲労科学研究所
発明者:倉恒弘彦、巽さくら、弥園護

14. 発明の名称:自律神経評価装置、自律神経評価方法及びプログラム
内容:副交感神経及び交感神経について、年齢構成の異なる集団においても活用可能となる指標を開発。さらに従来よりも短時間の計測で副交感神経活動を評価する
出願番号:特願2022-060417
出願日:令和4年 3月31日
出願人:株式会社疲労科学研究所
発明者:倉恒弘彦、巽さくら、弥園護

15.発明の名称:情報処理装置、疲労評価方法及びプログラム
内容:眼鏡の鼻パッドに取り付けた電極より得られた電位変化により眼球運動を評価し、疲労度、メンタルヘルス状態、睡眠状態、自律神経機能などを予測する
出願番号:特願2018-18340
出願日:平成30年2月5日
出願人:株式会社疲労科学研究所,株式会社ジンズ
発明者:倉恒弘彦、上間裕二

16.発明の名称:慢性疲労症候群の判定方法
DNAチップを用いた慢性疲労症候群の判定方法
内容:DNAチップデータにより、疲労群と非疲労群を判定する
出願番号:特願2010 093225
出願日:平成22年 4月14日
出願人:公立大学法人大阪市立大学、 シスメックス株式会社
発明者:渡辺 恭良、倉恒 弘彦、大友 泰裕、小林 雅樹、吉田 雄一郎

17.発明の名称:疲労度の判定方法および疲労度判定キット
血液バイオマーカーを用いた疲労度評価
出願番号:特願2009-115685
出願日:平成21年5月12日
出願人:公立大学法人大阪市立大学
発明者:木山博資、池島信江、小川登紀子、渡辺恭良、倉恒弘彦
内容:血液中のα-MSHホルモンを評価し、疲労群と非疲労群を判定する

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